企画委員インタビュー「若手でなければイノベーションは起こらない。 それに気づくためのマーケティング総合大会」 株式会社明治 中島聡氏【2/2】

株式会社明治の中島 聡さん(営業企画本部 営業企画部長、2016マーケティング総合大会企画委員)を訪問しました。
マーケティング総合大会についてインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)


若手社員の素養を高めるために必要なことは?

Q.そうした中島さんの思いをどういう形で若手の社員に発信しているのですか。

今の若手社員に欠けているものは、マクロの観点です。
これが多くの若手マーケターに共通して不足している部分だと感じています。

もう1つは一般教養が足りないことです。

マーケティングは商売そのものですし、人を常に媒介して行われています。
だから、人間というものをもっと研究しなければいけません。

そのためには哲学、宗教学、音楽など何でも教養が必要になってくるはずです。
その部分を勉強するよう特に望んでいます。

Q.学生時代の勉強や個人の努力に委ねられることが多いですが、若手マーケターにどのような指導をしていますか。

強制的に本を読ませるしかないですね。
例えば山本七平さんの「空気の研究」を強制的に読むよう命じ、感想文を書かせています。

感想文を書かせる理由は、1つの事象を1面から見るのではなく、多面的に見なければいけません。
その多面的に理解する力を養うことができるのは書かせることだと思っています。

マーケティング総合大会の講演は限られた時間の中で行われます。
ですので、どうしても表層的な話が多くなっていまいます。

本当のポイントがどこにあるのかも、なかなか理解できないまま、講演が終わることもあります。
そうした時に多面的に理解する力が備わっていれば、本質まで理解することができますよね。

本質を見極める力を大会で養ってほしい

Q.マーケティング総合大会終了後、社内ではどのような共有をされていますか?

特段、共有の場は設けていません。

本人が参加したいセッションは基本的に自由に参加できるようにしています。
関心のないセッションに無理やり参加させても、本人・会社双方のメリットではありませんから。

Q.参加セッションの偏りは発生しませんか?

自分の仕事に関係の深いセッションへ参加することが多くなるようです。
ブランド戦略でもロングセラー商品でも構いませんが、本質は大きく変わらないと思っています。

ただ、その本質を見極める力が重要になるかと思います。

すぐには直接役立たなくても、きっと将来何らかのときに役立つ基礎的な部分を蓄積できるのではないでしょうか。

確かにヒット商品というものは、トレンドと関係していると思います。
でも、その商品が5年後に残っているかどうかは、別の問題です。

若手マーケターには、様々な講演の中で出てくる共通項を見出してほしい。
洞察力を身につけてもらいたいですね。

Q.マーケティング総合大会に出席することによって、表面的に真似できないことに気づき、新たなきっかけにして自ら活動していってもらいたいと思っています。

もともといろいろな考えがありますし、何が正解かも分かりません。

でも、イノベーションというのは0から1を生み出すことでしょう。
だから、0から1を生み出すためのキーワードを大会でつかめばいいのではないですか。

その人たちが仕事の経験を積み、意思決定に携わる立場になったとき、それが生きてくるはずです。
私はこれこそがイノベーションの基盤作りだと考えます。

若手こそがイノベーションを果たすべき

Q.イノベーションとして0から1にする何かをつかんでほしいという話が出ましたが、若手がイノベーションを生み出す仕事をするのは難しいのでしょうか。

難しいというよりも、私は若手でないとイノベーションできないと考えています。
イノベーションの本質にある思考形態は、バックキャスティングです。未来のあるべき姿から逆算していく考え方です。

もちろんその前段階で将来はどうなるのかというフォーキャスティングをしなければなりません。
未来をこうありたいと思う姿と、未来をフォーキャスティングした姿には、どうしてもギャップが生まれます。

それでもこうありたいと願うところから、逆算するからこそイノベーションが生まれるのだと思います。
未来のこうありたい姿が分かっているだけでもいいと思いますよ。
気づきはそのためのものでしょう。

Q.若手がイノベーションを考えるのは荷が重くないですか。

それは違います。むしろ、若手こそがイノベーションを果たすべきです。
若手がイノベーションを考えるのは、今の時点では重いかもしれません。

でも、若手が考えないと、誰がイノベーションを生み出すのでしょう。

さっきも申し上げましたが、予測がつくのは2020年くらいまで。
2025年や2030年の予測が困難です。
だから、そのときに活躍しているであろう若手こそが主体になり、バックキャスティングしなければなりません。

そして、今なにをやるべきことを決め、手を打つ。

Q.マーケティング総合大会をそのためのファーストステップにするわけですか。

それも方法の一つだと思います。
先述の通り、イノベーションは0から1を生み出すものだと考えています。

マーケティング総合大会のさまざまなセッションには、0から1を生み出すヒント、キーワードが盛りだくさんに含まれていると思います。

イノベーション、企業内イノベーション、日本社会のイノベーションを考える中で、非常に有益な大会になるはずです。

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